E-506 短編小説(第一部)

1話 妻の死(回想)                 

奴らは合図を待っている。

無線の「GO」と同時に、一斉に黒づくめの集団が2階建ての一軒家に入る。

目的は、彼の命だ。

彼そうデリグ・パンドナは、2階の寝室でぐっすりと眠っていた。

こんなに深い眠りは久しぶりだ。

通常は深く寝る暇もない。

異変に気がついたのは、黒づくめの集団がデリグの部屋に入ったとき、

デリグはベッドから起き上がり、彼らと正対する。

わざと目立とうとした。

理由は1つ

ベッドにはデリグの妻のニーナが寝ていたからだ。

黒づくめの集団の銃口が一斉にデリグに向けられる。

デリグはいざというときのために、仲間への信号を送るボタンを持っている。

起きたと同時にそれが押されているのを確認している。

したがってあと約2分稼げばよいだけだった。

「おいおいおい、すっかり物騒なものを、、、」

「・・・」黒づくめの集団は何も言わない。

「少し落ち着いて話そうじゃないか、、、」

「・・・」答えはない。

この瞬間にデリグはこの集団が「プロ」であることを認識した。

何も言わない黒づくめの集団の銃口が一斉にデリグへ向く。

デリグは死を覚悟した。

不思議と落ち着いていた。

引き金がひかれた瞬間デリグは目をつぶる。

「!」

しかし自分の体には傷すらついていない。

だが、

目の前の白いネグリジェの女は銃弾を一斉に浴びていた。

「ニーナ!!」

デリグは彼女を抱きかかえる。

力なくもたれかかるニーナ、デリグは目の前のことなど頭に無くなり、真っ白になった。

真っ白なネグリジェは彼女の血で徐々に赤く染まっていく。

その瞬間黒づくめの男たちは一斉に目の前から去った。

「デリグ大丈夫か!」

聞きなれた声、デリグの相棒のテリーと一隊が駆け付けていた。

「ニーナ!ニーナ!」

「あ・・・・」

デリグは止血しようとしたが滴る血は止められなかった。

デリグの腕の中でニーナの息はなくなる。

「すぐに病院へ迎え!!」テリーが声を荒げている。

病院へ運ばれたニーナの息は吹き返すことはなかった。

夕日、、、そういえば朝日もここで今日は浴びていた。

デリグは墓標の前でたたずんでいるだけ、、、

涙は不思議と出なかった。

後悔、後悔というか悔恨というか、不思議なほど無感情になっている自分。

「マスター、もう一杯」

「デリグさん飲みすぎだよ…」

その日はハイボールではなく、ウイスキーをロックで飲んでいた。

デリグはたまに想う、後悔の日、なぜ深く眠ってしまったのか、、、

もう少し早く気が付いていたのならば、妻の死はなかったのではと。

そんなことを思いながら夜がふけていく、、、。

2話 ヴァーミリオンとの出会い

「よおっ!デリグの旦那」整備士のアレクと地下通路の入り口で出くわした。

「アレク元気そうだな」

「ここんとこ徹夜続きでよ!ようやく今日から安眠さ」

「ということは出来たのか?」

「そそっそういうこと。こっちへ来な!」

アレクに連れられてきた、地下の門には「EARTHFORCE」と書かれている看板があり、扉がある。扉の前には門番の警備ロボットがいる。

アレクは警備ロボットに身分証を渡す、デリグも同じく。

「ピピッ!認証しました。」と同時に重々しい扉が開いた。

「旦那最近はどうなんだい?こっちのほうは、、、」アレクは小指を立てて言う。

「アレク、、、相変わらずだな、、、」デリグは軽く受け流す。

エレベーターを3台乗り継ぎ、地下深くまで来た。

「アレク今回のものはどうなんだい?」

「旦那!今回のものはとてつもなく優秀さ」

地下深くの奥にひときわ輝いている場所がある。

「旦那もうすぐご対面でっせ」

「!」

デリグは機体を見た瞬間に足が止まる。

なんというか、デリグの妄想している機体とよく似ている。

ディティール、スタイリッシュで一切の無駄がない。

「旦那!でもこれは相当に難しい品でっせ。旦那でも操縦できるか、、、」

2人の元に作戦参謀のアンナが、ロボットのファヴィオが来る。

「デリグ、ようやく相棒もできたわね」

「デリグさんデリグさんウレシソウ、ファヴィオもウレシイ!!」

4人そろってもデリグの目線は機体にあった。

「アレクこの機体に名前は?」

「旦那!E-506ヴァーミリオン」

「そうか、ヴァーミリオン」デリグの心は久しぶりの高揚感に満ちていた。

「これから作戦会議よ!」

「デリグさんデリグさんウレシイ!ファヴィオもワクワク」

デリグの目線は会話も聞こえているのかわからないくらいヴァーミリオンを凝視していた。

「まずは機体操縦になれてもらうように簡単な偵察任務からね」

「アンナさん俺らをなめちゃいけないよ」テリーが言う。

「私は少し練習が必要かも、、、」新人パイロットのレイナが言う。

「大丈夫俺に任せておけばいい」テリーは鼻高々に言う。

「あんまり調子に乗らないで、、、ね」アンナが言う。続けて

「遊撃一部隊のリーダーはデリグね」

「わかった」とデリグ。

「まずは軽く偵察任務、この付近の探索ね。」

アンナは続けて「実は最近謎の失踪者がでているの」

「失踪者?」

「ひょっとしたら戦いになるかもしれないわ。十分に準備はしといてね。」

「デリグいよいよだな」テリーは明るい声で言う。

「この席座り心地が良い、馴染むな、、、」デリグはコックピットから思っていた。

「デリグこっちは準備OKだ!」テリーより無線

「私も準備OKよデリグ」レイナより無線

「よし!ヴァーミリオン出撃せよ」

地下からの出口まではエレベーターがある。

地下一階から飛び立てる形だ。外からは分からない穴からヴァーミリオンは飛び立つ。

3機は穴から飛び立っていった。

3話 遊撃任務           

「テリーそっちはどうだ?」

「デリグ問題ない、レイナは?」

「少し操縦がこの機体難しいわ、周囲は異常なし」

「使っていくうちに慣れるさ!デリグ、お前の機体は安定しているなぁ」

「不思議だ」デリグは思っている。なじむというより、機体が思い通りになる。

少し高度を下げたいと思ったら、なぜか思うだけで勝手に操縦している。

「デリグ16時の方向に何かあるぞ!」

「よし確認しにいく」

「待って2人とも、、、」

不穏なシップ(船)がそこにあった。

「こちらE-506ヴァーミリオン、応答せよ」テリーが無線を送る

「・・・」答えはない。

「レイナ少し離れていろ」デリグは言う。

「あ!銃口が向かっているぞ」

銃口から光が発せられるとともにデリグのヴァーミリオンを閃光がかすめた。

「あれが例のやつか」テリーが言う。

「レイナ無理をするなお前は援護に回れ、、、」

ヴァーミリオンの標準装備ではミサイルこそついていないが、高性能のショットガンが装備されている。

デリグはショットガンを放つとシップに命中。シップは撃墜されていく。

「!」「その先に何かいる?」デリグは気が付く。

目線の先には少女がいた。

撃墜されたシップから脱出した一隊が少女に向かっていく。

「テリー降りて戦うぞ!レイナはヴァーミリオンでの援護を頼む」

「わかった」「わかったわ」

ヴァーミリオンには、ランディングギアが装備されており、着陸もスムーズだ。

2機から降りたデリグをテリーは、一隊が着陸した付近を目指す。

「さぁ早く来い!」少女は腕を掴まれていた。

デリグの銃口がその掴むメカを打ち抜く。

テリーは周囲の敵を一掃する。

「全員メカみたいだな、、、」テリーは言う。

「さぁもう大丈夫だ。名前は?」デリグは少女に問いかける。

「サラ」少女は小さくつぶやく。

「ここは危ない。基地に保護するが良いか?」

少女は軽くうなづく。

EARTHFORCEの一室に少女はいた。

「失礼するぞ」デリグは入っていった。

「紹介が遅れたな、デリグ・パンドナだ。」

「デリグさん、助けていただいてありがとうございます。サラ・オカヤマと言います。」

「知り合いは他にいないのか?」

「みんなさらわれました。あの街では私一人だけ、、、友人は殺されたり、奴隷として使われたりと聞いています。」

「襲った団体に心当たりは?」

「わかりません。すみません。ありがとうございます。私も何かの役に立ちたいです。」

「そうだな。後でアンナを紹介しよう。」

「ありがとうございます。デリグさんは私の恩人です。」

「大げさなことを言うなよ。両親とかは?」

「・・・」サラは首を大きく横に振る。

「そうか悪いことを聞いたな。失礼した。」

「いいえ、、、」

その様子をレイナが物陰からジッと見ていた。

4話 未知との遭遇         

「応答せよこちらテリー」

「はいテリー。本部サラ。」

「今のところ異常なし、引き続き北西方面へ偵察任務続行」

「了解。そちらの方面は1週間前に味方偵察機が撃墜された地点です。」

「了解。」

《EARTHFORCE本部》

「サラ、すっかり慣れたわね。戦力として申し分なし、仕事も早いし」アンナは言う

「いえ、アンナさんとデリグさんのおかげです。」サラは少し照れながら答えた。

《ヴァーミリオン偵察部隊》

「テリーそっちはどうだ?」

「今のところ異常なし」

「レイナ、そっちはどうだ?」

「今のところ、、、あ!不思議な機影を発見。10時の方角距離は、約2~3マイル10時の方向に向かっている2機の機影だわ」

「テリー、レイナそっちへむかうぞ!」

「了解」「了解」

ヴァーミリオンは素早く敵機を捕捉するようにブースト機能が付いている。

3機はブーストを使い、2機の不気味な機影に一気に近づいた。

赤く染まった2機はヴァーミリオンに近づくと、応戦の構えをする。

「テリーは左のを俺は右へ行く。レイナは援護だ。」

「了解」「了解」

敵機から無線が入る。

「俺はファンテルステロイ、雑魚はどけ!降伏して逃げるなら追わないぞ」

「俺はデリグ・パンドナ、どれほどの力が試させてもらうぞ!」

赤き機体からミサイルが放たれる。デリグはギリギリのところを狙ってこれをかわす。

「チィ!惜しいな」ファンテルステロイは言う。どうやら真剣勝負のようだ。

「デリグ気をつけろ。こいつらやり手だぞ。」テリーから無線が入る。

どうやらテリーも赤き敵機と対峙しているみたいだ。

「さぁお次はかわせるかな、、、」再び赤き機体からミサイルが放たれる。

ヴァーミリオンの白銀の機体はこれをギリギリ狙ってかわす。

「私はジル・マーカス、一応あなたの名前も聞いてみようかしら」

「俺はテリー・ゴーギャンだ。」

「あなたの隊にリーダーはあちらの彼かしら、さっきからミサイルをギリギリに交わして反撃を狙っているみたいだけれど、、、」

「!」

と言うと、テリーの前から、ジルの赤い機体が消えた。

「デリグ危ない!!、レイナデリグの後ろ!!」テリーから2人に無線が入る。

デリグの後ろにはジルが回り込んでいた。

「かかったわ」ジルがミサイルを放つ

「クッ」デリグのヴァーミリオンはファンテルステロイに気を取られ、後ろをおろそかにしていた。ミサイル被弾、しかしデリグが巧みにかわしたため、ダメージは浅かった。

「残念!捉えたと思ったのにねぇ・・・。」

デリグはファンテルステロイのミサイル装置を熟知していた。テリーが援護に入ったのを確認し、ファンテルステロイの赤き機体へと近づく。

「貴様!無謀な策を、、、」ファンテルステロイがミサイルを放つその時にそのミサイルがデリグにより破壊される。と同時に援護に入っているテリーもジルの武器を破壊していた。

「お前ら何者、、、」ファンテルステロイはジルと合流し、回避行動を取る。

「逃さんぞ!!」デリグは追うようにヴァーミリオンの機体を向ける。

「待て」テリーが言う。

「任務は偵察任務だ。デリグ追うな」

「わかった。」

《EARTHFORCE本部》

「ということで2機の機体はこれまでの敵とも違います。」状況を見ていたレイナから報告が上がる。

「わかったわ。また追って作戦を言います。各々今後は注意を」とアンナ。

「了解」

その時だった。

5話 大戦勃発           

その時だった。EARTHFORCEの内部にけたたましい音楽が流れる。

「!」

「今全世界のネットワークを乗っ取った。Devil’s Fangである。私はこれから全世界を武力にて支配するものだ。よく覚えておくが良い。」

「これまで我らは世界に虐げられてきた。地中深くに住み、世界に、この世にでるのを待っていたのだ。」さらに男は続ける。

「我らはとある方法で『力』を得た。それも素晴らしき力だ。これこそ神が与えた世界を支配するものが証。」

「この『力』には誰も敵うまい。降伏すれば奴隷にしてやろう。ただし反抗したら死ね。」

「我こそが世界を支配する。それもこの1年以内に世界を統一する。全世界を統一したのち我が作る秩序ある世界にて奴隷として生きるが良い。もう一度言う。反抗するものは死あるのみ。覚悟せよ。」

ふたたびけたたましい音楽とともに回線が切れた。

「なんだなんだ!」テリーが言う。

「どうやら本当みたいです。全世界でニュースになっています。」サラが入ってきた。

「ここの回線も乗っ取られたのか、、、」デリグは言う。

「いえ公共のネットがすべて、、、ここの固定の回線は大丈夫です。」サラは言う。

「いったん解散するわ、サラ少し彼らのこと調べて」アンナが言い、各々は別れる。

2時間後再び招集される一同。

「みんな聞いて、どうやら最近の拉致疑惑は彼らのしわざみたい」アンナは言う

「拉致をしてどうするのだ」テリーは言う。

「教育しているの。戦闘員、イヤ戦闘メカとして、、、」

「!」

「彼らの言う『力』が本当なら、きっとメカの開発をしているわ」アンナは続ける。

「まだ情報が足らないわ。おそらくもう各都市を狙っているかも、、、」

「それぞれ打ちやぶるのみさ」デリグは言う。

「打ち破れるならよいけれど」アンナは不安そうに言う。

「とりあえず各都市にデータのネットワークを張り巡らせています。異変があれば通報があるように」サラは言う。

この時期の地球はコロニーになっており、それぞれ地方に拠点の大都市があり、その他はほぼ荒れ地になっていた。

「各都市は義勇軍で守られているわ。そう簡単には破られないはずよ」アンナは言う。

「それぞれ出撃の準備だけしておいて!!」

「了解」

「それからアレク、少し話があるの」

「了解タイチョーさん」

アンナとアレク以外は作戦室から退出した。

「パイロットの免許を取ったよ」デリグの息子のクリスが証書を掲げ走ってきた。

クリスもデリグの血を引くとあり、優秀なパイロットの資質があった。

「テリーさん、ようやく一緒に戦えるね」クリスは言う。

「デリグ親子の面倒役は俺か」テリーは冗談交じりに言う。

「・・・まぁな」デリグは苦虫をかみつぶしたような顔で笑う。息子の前で笑うのは苦手だった。

そのとき急報が入る。

6話 裏の世界           

《EARTHFORCEの地下》

ぼんやりとヴァーミリオンを見つめているデリグ

「これからの任務はより激しいものになるだろう。果たして今の武器では、、、」

「デリグさんデリグさんドウシタノ?」ファヴィオが近づいてきた。

「ファヴィオ、そうだなぁ、これまでの任務はあまりにも簡単だと思わないか?」

「デリグさんデリグさんファヴィオにはワカラナイケレド、デリグさんならダイジョウブ!!」

そこへテリーが来た。

「デリグ、新しい武器が開発されるらしい」

「そうなのかテリー、どんな武器なのだろうな」

「ひそかにアレクが開発していたと聞いたぞ」

「テリー、パイロットも開発に混ぜてくれないのは、、、」

「デリグさんデリグさん、パイロットとケンキュウはチガイマス。」

「そうだなファヴィオ」

クリスとレイナも加わる

「ヴァーミリオンには数か所にオプションを付けられる」とクリス。

「私使いこなせるか分からないわ」とレイナ

「まぁアレクのことだから任せておけば大丈夫だろう」デリグは言った。

「そうだな」一同うなずく視線の先にはヴァーミリオンが銀色に輝いている。

《EARTHFORCEの総本部》

「総監!ヴァーミリオンへの開発費を出してください。」アンナが声を荒げる

「アンナ君、もうすでに十分な開発費用は出している。まだ特別結果を出せていないではないか!」

「これからの戦いは負けが許されません。どうかアップデートしながら戦う術を」

「まぁまぁ彼(Devil’s Fang)らの出方を見ては良いのでは」と別の評議員は言う。

「そんな甘い考えはどうかお捨てください。」アンナは引き下がる。

「ひとまず検討しておくと回答する」総監は言う。

「うっ、了解しました。」

《EARTHFORCEの地下》

4人の元にヴァーミリオンの整備を終えたアレクがやってくる。

「よぉ!皆様お揃いで、」

「アレクもう終わったのか」

「そうだな、、、新しいオプションも付けた」

「新しいオプションは、、、武器か」

「そうだな、、、前回デリグの旦那が後方から攻撃されただろ、あれに対する対抗策さ」

「そうなのか」

「そうそう、後方へ回り込まれても大丈夫なようになったのさ」

「テリー、レイナ、クリス、準備はOKか」

「テリーOK」

「クリスOK」

少し遅れて「レイナOK」

エレベーターでランディング地点へと向かう。

「よしヴァーミリオン出撃せよ!」

4機は未知の敵を迎撃すべく飛び立った。

7話 希望と野望          

《デリグ遊撃隊》

「テリーそっちは異変ないか?」

「異常なし」

「レイナ異常ないか?」

「異常なし」

「クリスそっちはどうだ?」

「異常なし」

「しかし、敵方は宣戦してから5日経つのに動きなしか・・・ハッタリじゃねーの!」とクリスが言う。

「警戒を解くわけにはいかない。気をつけろタイミングを見計らってというのもある。」テリーがたしなめる。

その時近場のジャングのコロニーから無線が入る。

「黒い一機編隊と交戦中至急援軍を」

同時に本部から無線が入る

「ジャング、カタルゴ、アレッポ、グーナス、ムサンバの5都市がそれぞれ黒い機体と交戦中」アンナからだ。

「了解。とりあえず俺たちはまず近場のジャングへ向かう。」

「おやじ分かれて4つの都市に行った方がいいんじゃねーの?」クリスが言う。

「ヴァーミリオンは確かに強いが分かれたら相手に負けてしまうぞ。」

とりあえずジャングへ

ジャングは水と農業が整っている優秀なコロニー(都市)だ。

まずはこの模範的なコロニーを落とそうとしているのが敵の作戦らしい。

デリグたちが向かった先に10はある黒い機体と都市警備隊が応戦していた。

デリグは後方からショットガンにて2機を立て続けに撃墜。テリーの同様に2機。クリスは2機、レイナは1機、奇襲作戦で撃墜した。

残りの3機はヴァーミリオンへ向かってくる。標的にされたのはレイナだ。

「レイナ気をつけろ、そっちへ向かっているぞ」

「え?え!」

残りの3機はレイナに標準を絞り向かっていく「まずい」とテリーの声。

「させるか」デリグとクリスがブーストを使い、一気に敵機の後ろに回り込む

ショットガンが命中。残り1機。

「レイナ頼むぞ」

レイナは動揺していたが、狙いを定め残り1機を撃墜した。

こうしてジャングを狙っていた一隊を破る。

アンナから無線。「カタルゴ、アレッポ、グーナス、ムサンバは堕ちたわ。無線が途切れて占領されたみたい。どうやらジャングの部隊は誘導のようね。」

「他のコロニーは黒い機体が中心だったけれどグーナスの部隊だけ赤い機体が混じっていたと報告をうけたわ。」

「おやじ!グーナスへ向かおう」クリスは言った。

「だめだ。今回は遊撃戦だから勝てた。ヴァーミリオンは市街地戦に向いていない。相手が市民を人質に取ったらどうなる?」デリグは諭す。

「本部!デリグ隊帰還する。作戦会議でコロニーを取り返す方法を練ろう。」

「本部了解。」

敵の次の狙いは?

8話 ユーグラド防衛戦       

《EARTHFORCEの作戦会議》

「前回の出来事で4都市が落されてしまったわ。」

「次の敵の狙いはユーグラドだろう。」

「そうだな。でもあそこはかなり強力な防御力を誇っている。」

「前回の規模からすると5編隊程度で攻めてくるか?」

「そうね」とアンナ。

「ともかくユーグラドを落とされるわけにはいかない。準備しておこう。」テリーは言う。

「ユーグラドから通信で連絡。敵機約100機が見えたそうです。」

「100機!多すぎやしないか?」

「ともかくヴァーミリオンは出撃。デリグ頼んだわよ」

「了解」

「テリー、レイナ、クリス!準備はOKか?」

「テリーOK」

「レイナOK」

「クリスOK」

エレベーターで上がっていく。

「よしデリグヴァーミリオン部隊出撃せよ!目標はユーグラド」

デリグ達がユーグラドにつくと防衛部隊と黒いおびたたしい数の敵機が戦っていた。

「数にして85と言うところだな」とテリー

「敵のリーダーはあの赤い機体かな?あれを倒しちゃえば終わりじゃね?」とクリス

「先にユーグラドの防衛が先決だ。」デリグはたしなめる。

テリーとクリス、デリグとレイナに分かれ、双方向からユーグラドを囲むように展開。

遊撃戦でヴァーミリオンに敵う敵機はいない。おまけにユーグラドからの援護射撃もあり、次々に敵機を破壊していく。

「敵さんほとんど無防備じゃねーか。これは余裕だな」とクリス

「クリス油断するな!敵は気が付いてこちらに向かっている」とテリー

「俺様の腕のみせどころよ」クリスは猪突猛進に突っ込む。

「昔のデリグみたいだな、、、」テリーはやや引き気味でクリスを援護する。

この形態が絶妙な形で、クリスのやや無謀な突っ込み気味で乱れた敵機の隊形をテリーが確実に仕留めていった。クリスは1発被弾したが、軽微な傷で済んだ。

「レイナ無理をするな1機1機確実に仕留めていけ」とデリグは言う。

「わかったわ」とレイナ

デリグ達は確実に1機1機を落としていく。

クリスは敵機の中央にいる赤い機体を見つけるとそちらに機首を向ける。

「クリス気をつけろ。やつらは手ごわい。」テリーは言う。

「任せてくれ、、、今の俺は誰にも止められない」クリスは突っ込んでいった。

少し遅れてデリグ達もユーグラドを囲む黒い敵機を一掃した。

レイナは少し被弾したが、軽微な傷で済んだ。

「レイナはユーグラドの状況を確認してきてくれ。俺は赤いやつとやる。」

「了解」

デリグが到着したとき、テリーの援護を得ながら、クリスは赤い2機と相手をしていた。

「テリー!俺は右のやつとやる、左のやつを頼む」とデリグ

「了解」

一進一退の攻防の状況が変わったのはこの時だ。

「チャンス」クリスはファンテルステロイに突っ込む。

「クッ!なめるな」赤い機体からミサイルが放たれる。

ドーンと大きな音を立ててクリスの目の前でミサイルが爆発。「ちくしょう」とファンテルステロイ。

ミサイルを撃ち落としたのはテリーだ。

クリスはファンテルステロイの赤い機体へ向け、ヴァーミリオンで突っ込む。

ヴァーミリオンは近接戦でも強い機能を誇っている。

ファンテルステロイは逃げるように回避行動を取る。

「逃すか。」「待てクリスそこまでだ」とテリーに止められる。

「OKテリーさん。もう1機の方に向かうぜ。」

「やれやれ」(デリグの若いころにそっくりだ。。。)テリーは思っていた。

ジルとデリグは相対していた。両者ともに不気味な間を保ちつつ、、、

デリグはジルとの差を詰める。そこにクリスが突っ込んでくる。

両者の均衡が破れた。

デリグはショットガンを定めてジルの赤い機体を撃墜する。

赤い機体は墜落、ジルは機体から脱出した。

墜落した場所にデリグが向かうとジルが座っていた。

傷を負っているようだ。

デリグはジルの元で駆けつける。武器を構えていたが相手が交戦する気がないのを知ると武器を下ろし、彼女の元に行く。

「私の負けねぇ、、、」とジル。

「今回は遊撃戦だから勝てた。お前らの機体もなかなかのものだ。」とデリグ。

「私はジル・マーカスよ。あなたの名前は?一応死ぬ前に聞いておこうかしら?」

「デリグ、デリグ・パンドナだ。」

「そう、デリグ、、、あの」ジルはそう言うとデリグの目の前から消えた。

「!」

デリグの元にテリーとクリスが駆け付ける。

「デリグあの女は?」とテリー。

「すまん。逃げられた。」

(しかし謎の術を使う、一体奴らの正体は?)

ユーグラド防衛線はデリグ達の勝利で終わった。

「俺の活躍レイナに見せたかったぜ」クリスは鼻高々に言う。

テリーの援護があるとは言え、クリスは敵機を30機も撃墜していた。

「デリグの旦那」アレクはデリグに言う。

「クリスさんの機体めちゃくちゃだ。整備が大変だよ。少し言った方がいい。」

今のクリスに誰一人として声をかけることができなかった。

9話 父と子           

《EARTHFORCEの作戦会議》

「ユーグラドの防衛に成功した。本部からの命令は失った各都市にそれぞれヴァーミリオンを中心に4機編隊で投入し各都市制圧をしろと言われたわ。」あんなは苦々しい顔で言う。

「今のヴァーミリオンは都市制圧には向かない。少し無謀じゃないか?」とテリー。

「デリグはどう思う?」アンナは言う。

「今は確かにチャンスだ。編成を見直して2部隊に分かれても良いかもな」

「おやじは甘いんだよ。俺は一人でもできる。」とクリス。

クリスの前回の作戦での活躍は誰しもが知っている。あまり強く言えない一同。

「ちょっと私一人が心細いかも、、、」とレイナは言う。

「そうだな途中まで一団で行き、敵の様子を見てから決めても良いかもな、、、」とテリーが言う。

「テリーの案は筋が通っているわ。デリグの現場判断に任せるわ」とアンナ。

「敵の姿が見え次第各個撃破しながら都市の開放を狙いましょう。」

「了解」

「今回はえらい大部隊だな。連携は取れるのか?」とデリグ。

「他の機体は無人機だ。基本頭になるパイロットの機体のサポートに入る。」とテリー。

「こんなんじゃ人間なんて意味ないな」デリグは失笑した。続けて

「よし準備ができたら出撃だ。くれぐれも準備は抜かりなく、今回は制圧の白兵戦も視野に入れておけ」

ユーグラドを経由し、失ったコロニーへ向かう途中、不気味な機影を遭遇する。

「13時方向敵機5機!いや10機程度発見。距離は5マイル程度」レイナから無線。

「よしっ!とりあえず俺が片付けてくるよ」クリスは言い機首を13時方向に向けた。

「クリス待て!長はデリグだ。」テリーはたしなめる。

「片づけてくれば問題ないだろ。おやじ」

「いや俺が行く」とデリグ。

「2人で争っている場合か!ここは戦場だぞ」テリーが言う。

クリスは勝手にブーストを使い、クリスに従う4機とともに隊列を離れる。

「おやおやああいうところは誰かさんにそっくりだ。」テリーは言う。

「・・・」デリグは返す言葉もなかった。

「うぉぉぉぉヴァーミリオン突っ込め!」クリスは敵機影に向かい突っ込む

しかし敵機影は幻のように消え、いつしか後ろに回り込まれていた。

「!しまった」

ドーンという音とともに、クリスの部隊の機体が落ち落された。

「なんだこいつら」敵の機体は10機程度。クリスは囲まれた。

ヴァーミリオンで2機を撃破するも、2発被弾。

「チッ!」3機目を撃ち落としたところでもう1発のミサイルを食らう。

「ここまでか」クリスは一瞬あきらめかけたとき、

ヴァーミリオンと一団が現れ、残りの4機と3機と一瞬にして撃墜していった。

クリスの目の前に現れたのはデリグだった。

「おやじ、、、」

「クリス一団を率いるときには、一機を操縦するのとは使い方が違う。気をつけろ!」

やがてテリーとレイナも合流したが、4都市を制圧するのは無理と判断し、一度帰還することになった。

《EARTHFORCEの本部》

「アンナ君、今回は機体の数も与えたのに、なぜ作戦は成功しなかった?責任問題だぞ」

「すみません。予測不能な集団が現れ、一個師団がダメになり、都市制圧はあきらめました。」

「今度失敗したら君が責任をとってもらうよ」

「はい。」

《EARTHFORCEの作戦会議》

「クリス!なぜ勝手に動いたの」アンナが詰め寄った。

「アンナさん、俺の指導力不足です。」デリグが謝る。

「無線を聞いていたわ。全く敵の誘導に引っかかっただけじゃない?」

「・・・」黙るクリス。

「謎の部隊の状況がつかめなかったのは、俺たちのせいでもある」テリーも擁護する。

「作戦は引き続き行うわ。みんな解散して」

それぞれに分かれる顔に笑顔はなかった。

《クリスの部屋》

「クリスちょっといいか?」テリーがやってきた。

「実はなデリグも若い時に同じようなミスを犯している。」

「・・・」

「俺は君が優秀なパイロットになると思うよ。まぁどんまいだ」

「・・・テリーさん」クリスは続ける

「俺はおやじを超えたい。おやじを超えるパイロットになりエースになるんだ。」クリスのほほに涙が光っていた。

その後クリスの姿を見たものはいない。その日以来クリスは突如としてEARTHFORCEの元を去ったのだ。

10話 共に             

「アンナさん、各コロニーから入電、黒い機体に囲まれて包囲されている模様。」

「デリグ出撃して」

その半刻前《デリグの部屋にて》

「Devil’s Fangの次の作戦情報を得たわ。今度は各都市を一斉に攻めるふりをして別々に分かれたところを応戦、本隊はユーグラドの近郊に位置し、隙を見てユーグラドを攻めるとみているわ」とアンナ。

「その情報どこから得たのだ。」とデリグ。

「サラが情報の傍受に成功したの」とアンナ

「したがって・・・」ひそひそとデリグの耳元で何かを告げるアンナ。

「了解」デリグの目が光る。

「デリグ隊はユーグラド近郊へ向かう、テリー隊は南へ、レイナ隊は北へ展開し、それぞれ各個敵機を撃破する、いいな」とデリグ。

「了解」

「了解」

《南のテリー隊》

「クリスがいなくなって戦力ダウンだが仕方ない、あれが敵?」

テリーの目の前にはステルス風の機体が数機いた。

「テリー隊敵機発見戦闘に入る。」

《北のレイナ隊》

「!(見たことない機影)」

レイナの目の前には同じくステルス風の機体が数機いた。

「レイナ隊敵機発見!戦闘に入る。」

デリグ隊はひたすらユーグラドへ向かい両部隊が戦闘に入るのを確認し、少し速度を落とす。アンナから与えられた情報では、デリグ隊にも誘導用の部隊が出てくるはずであった。

「!見つけた」デリグの目の前に同じくステルス風の機体が数機現れる。ステルス風の機体はゆっくりとユーグラドから離れるように飛んでいた。

アンナの策とは、このステルス風の機体と逆の方面に必ず敵の本隊がいるというものだった。デリグはその指示に従い、ステルス風の機体を無視して反対方向に進む。

ユーグラドまで5マイルに来たところ、赤い見覚えのある機影を発見した。

「!」赤い機影はデリグを見るなり襲ってくる。

「かかったなデリグ・パンドナ」ファンテルステロイだ!

デリグ隊の機体が一斉に発射された敵ミサイルに次々に撃ち落とされる。デリグは20機程度の機体に瞬時に囲まれていた。

「!しまった敵の罠にかかったか。」

次々に被弾するヴァーミリオン、デリグの腕でぎりぎりのところでかわすも、ファンテルステロイの機体からのミサイルのロックオンに入る。

「これは必殺の誘導ミサイルだ。終わりだなデリグ・パンドナ、ミサイル発射!」

ファンテルステロイからのミサイルが発射される。

デリグはギリギリでかわすも誘導ミサイルは追尾してくる。

その誘導ミサイルの合間に3機程度を撃ち落としたが、誘導ミサイルはひたすらに追尾してくる。

「あ!」デリグが止まったところをミサイルが狙う。

ドーン大きな爆発音がなった。

「はいご愁傷様、ヴァーミリオンもこれで終わり。んっ!」

大きな爆発の後にはヴァーミリオンが無傷で残っていた。

気が付くと緑色の一隊がいた。ミサイルを撃ち落としたのはこの一隊だ。

「俺はサザー、ユーグラド義勇軍として活動している。前回のお礼にあんたを援護するよ。」

「悪い助かった。とりあえず周囲の機体を頼めるか?」とデリグ。

「了解」サザーの1隊3機は黒い期待を処理していく。

デリグはファンテルステロイだけを標的にしていた。

「何を!覚悟しろ」ファンテルステロイはミサイルを発射。

デリグがギリギリでかわし赤い機体へと迫る。

距離を詰めたところでショットガンを使い武器を破壊する。

「デリグ大丈夫か?」テリーも駆け付けた。

「ちくしょう引き際か、、、」ファンテルステロイはワープを使い消えた。

サザーも黒い一隊を片付け、付近の地上で落ち合う。レイナもやってきた。

「ありがとう。サザー!君のおかげで助かった。」デリグは握手を求めた。

「こちらこそ前回のお礼だ。」サザーもこれに応じる。

今回の大きなDevil’s Fangの侵攻作戦はしばらくなりを潜めることになる。

それは次の戦いへの序章だった。(第1部完)

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